フロリダ州のウォルトディズニーワールドのスポーツ施設にチームを集め1カ所でプレイオフを行うという異例の形で今シーズンのクライマックスを迎えているNBAですが、ここにきて更に異例の事態となっています。

日本時間27日に予定されていた3試合すべてが延期に

日本時間27日の2時から予定されていたNBAプレイオフ、マジックVSバックス、サンダーVSロケッツ、ブレイザーズVSレイカーズの3試合がいずれも延期となりました。

異例のプレイオフの中、さらにプレイオフ中の選手たちによるストライキという状況になりました。

NBAは再開後リーグとして社会に対するメッセージを送っている

COVID-19の影響によりNBAリーグは2020年3月12日から一時中断することになりました。その中断期間中の5月25日、アメリカミネアポリス近郊にて偽札使用の容疑により拘束されたジョージ・フロイドが警察官に取り押さえられているさいに窒息死させられるという事件が発生しました。

 この事件を受け、NBAは黒人に対する警察の暴力に反対する活動「Black Lives Matter運動」を指示し、フロリダ州のディズニーワールドで再開されたNBAリーグのコートに「Black Lives Matter」と表示。人種差別、偏見、不当な暴力の撲滅や平等性などを訴えてきた。コートのみならず、選手たちの背中にも「PEACE」「EQUALITY」「SAY THEIR NAMES」などこれらの問題に対する様々なメッセージが表示され、このユニフォームで試合に臨んでいます。

この活動はNBAだけに収まらずに、ベースボールやサッカーなどあらゆるスポーツの場面で起こっていて、アメリカだけでなく世界中を巻き込んだ活動になっています。

オンラインのゲーム内でもこれら活動が波及しており、子どもたちが楽しむゲーム内にも「Black Live Matter」の文字があちこちでみられるようになり、若年層からこの問題に取り組ませようという活動の意思が伝わってくるものになっています。

プレイオフ中に起こってしまった更なる事件

シーズンも再開され、いよいよNBAシーズンのクライマックス「プレイオフ」に進出したチームによる熱戦が繰り返されている中、更に悲惨な事件が発生します。8月23日、アメリカウィスコンシン州にて、家庭内暴力の通報を受けた警察官が出動した先の路上で、黒人男性ジェイコブブレイク氏を背後から至近距離で銃撃する事件が発生しました。

 SNSなどでシェアされた動画では警察官の命令を無視し車に乗り込もうとする無防備なジェイコブ氏を後ろから銃撃する様子が写されています。Black Live Matter運動を強く訴えていたNBA選手たちにとって衝撃的なものになりました。

この事件は多くのスポーツ選手たちに影響を及ぼすことになり、NBA選手だけでなく、テニス日本の大阪なおみ選手もウエスタン・アンド・サザン・オープン準決勝を棄権すると声明を出しています。