第1回 日本人がNBA選手を目指すには

2015年から日本にもBリーグなるバスケットボールリーグが発足し、日本からのNBAプレイヤーも誕生するようになりました。

2018‐2019シーズンには渡邊雄太選手がスモールフォワードとして、メンフィスグリズリーズとGリーグの2WAY契約でNBAデビューを飾りました。渡辺選手は日本の高校在学中に渡米することを決意し、コネチカット州の大学進学の予備校に通い、その後ジョージ・ワシントン大学に進学しNCAA一部の大学リーグに所属してNBAを目指しました。

そして2019年のNBAドラフトでは八村塁選手が日本人として初めてNBAドラフト1巡目9位という高順位でNBA入りを果たしました。八村選手も高校まで日本でプレーし、米国ワシントン州のゴンザガ大学に進出を決めて渡米し、数々の記録を残したためスカウトの目にとまるようになりました。

日本のBリーグからも初のNBA選手が誕生しました。2019年9月にはアルバルク東京の馬場雄大選手はダラス・マーベリックスと正式に契約しました。しかしながらその後すぐにGリーグ(NBAの下部リーグ)のテキサスレンジャースでの契約となったため、契約は少しの期間となりました。その後オーストラリアリーグに挑戦しNBA入りのチャンスをうかがっています。

馬場選手の場合は、日本の高校、大学を経て、Bリーグに籍を置きながらNBAサマーリーグにチャレンジして、契約を勝ち取りました。



世界中からスタープレイヤーが集まるNBA

NBAには現在多くの国からプレイヤーが参加しています。近年行われているバスケットボールの世界大会などでは、今までアメリカ一強となっていたはずが、ヨーロッパの選手の台頭によりアメリカが簡単に勝てなくなってきているどころか決勝戦にすら進めないという状況にもなっています。スターターが全員NBAプレイヤーのチームが出来るほど、ヨーロッパ諸国からは多くのNBAプレイヤーが排出されています。

ヨーロッパの選手らも、自国のプロリーグで活躍してドラフトにかかる人もいれば、米国の大学に行ってプレーをして自分を売り込むなど様々な方法でNBAに挑戦しています。

もっとも売り込みやすい米国の大学

NBAのドラフトにかかるのは、やはり米国の大学リーグで活躍した選手が最もスカウトの目にもとまりやすく、また米国内でそのような仕組みがいろいろと出来上がっています。そのため渡邉選手や八村選手のように米国の大学に行くというのがセオリーのような気もしますが、日本の大学に居てもNBAから声をかけてもらえる可能性があるというのを馬場選手が示してくれました。

心配になる英語力も問題なし。

日本人は世界的に見て突出して「英語力」が低い民族です。中学校から6年間も英語を学んでいて英語ができないというのは先進国でも珍しいほど英語教育に失敗しています。英語を嫌いになるような形にさせられて偏差値教育の弊害ですが、英語の成績が悪くても全く心配する必要はありません。アメリカの大学に入る場合まずは現地の進学予備校やESLコース(English as a Second Language)のコースを受けてまずは1年間みっちり英語を詰め込みます。

今まで嫌いだった英語ですが、勉強のための英語と違って、「話す、コミュニケーション」のための英語の学び方は中学校からやってきた勉強方法と全然違い、とても楽しく学べます。しかも目標があってそのために学んでいるわけですから、やる気も全然かわってきます。国内でもそのような教育をしている学校も沢山ありますが、ほとんどが受験用英語を学んでいるため、国内で一般的な勉強の仕方をしていたらだれでも英語は嫌いになってしまいます。

渡邉選手や八村選手も全然話せなかった英語を予備校やESLで短期間で習得して米国の大学に進学しています。やはり英語は必要に駆られて現地に行くしか良い方法はありません。

NBA選手になるために考えなければならない事

日本人がNBA選手になるためには、それはそれは大変な苦労が必要です。日本にはBリーグがあり、このリーグのプロになるのもとても大変な事ですが、そのさらに上を行くNBA選手になるためには、明らかに日本でNo.1プレイヤーと呼ばれる何かをもっていないといけません。

バスケットボールは背の高い選手に有利なスポーツで、ジャンプ力、スピードなどの身体能力もトップクラスなのがNBA選手です。世界中のバスケットボールプレイヤーが目指す舞台でこのような選手たちと競うためには自己主張できる強いメンタリティも必要です。

更にNBAは観客を楽しませるエンターテイメントでもあります。ただバスケットボールの技術が高く強いメンタルを持っていても、このエンターテイメント性ももっていないといけません。周りと仲良くし、楽しませ、記者の質問にもしっかりと応える事ができる能力も必要です。このエンターテイメント性というのは日本人が小学校から高校までの間に培ってこない部分であり、苦手としているところです。

このような選手が世界中に沢山いるわけで、日本人として目にとめてもらうためには、国際大会に出場できる選手になり、その場で活躍できる選手にならなければなりません。そのような経歴を持つことで、NCAAリーグに参加する大学のスカラシップが獲得できる可能性がでてきます。

NBA選手になるためのルートまとめ

日本人がNBA選手になるためには、以上の様に様々なルートがあります。最終的にまとめると以下の様になるでしょう。

  1. 米国のNCAAリーグ大学を目指し、そこからNBA
    1. 日本の高校から米国の大学へ
      日本の高校から米国の大学へ進学するには、高校時代の活躍が重要になります。U-18の世界大会なで活躍する姿を米国大学のリクルーターに見せる事で、スカラシップを獲得のチャンスを広げます。バスケットボール以外でアメリカの大学に入学するためには、高校時代にある程度の学業の成績をおさめ、TOEFLのスコアで高得点を獲得し、学費、生活をするための経済力も必要です。八村選手はこのNCAAリーグのゴンザガ大学に進学し、そこでも活躍したことでNBAドラフトにかかりました。
    2. 米国の高校から米国の大学へ
      高校から米国に行き、そこで活躍することで大学のリクルーターの目にとまり、NCAAリーグの大学に進学するという方法もあります。公立高校は1年間だけという留学期間がありますが、私立大学は期限が無いため、アメリカの高校卒業資格を取得するにはこの方法になります。ただし日本と比べて費用の高いアメリカの高校や生活は費用負担はかなりのものになってきます。
  2. 日本の高校で活躍しBリーグからNBAサマーリーグに挑戦
    1. 日本の高校から日本の大学へ進学しBリーグ→NBAを目指す!
      日本の高校で活躍できる能力をもっているのはもちろんですが、そのままBリーグに行ける選手はかなり稀です。そのためさらにキャリアを上げるために大学に進学し実力をつけてBリーグを目指す方法です。大学での活躍次第では在学中から強化選手としてリーグに参加できる場合もあります。その後Bリーガーになって活躍することで国際大会などで評価されることでドラフトの指名を獲得するか、NBAのサマーリーグへの挑戦するなどでNBAへの道が開けます。
    2. 日本の高校からBリーグに入り→NBAを目指す!
      とにかくBリーグ入りすることもとても大変な事です。BリーグもB1,B2,B3とあるため、高校での活躍がリクルーターの目に留まれば、チーム入りの可能性も出てくるでしょう。

いずれのルートも中学生くらいからのバスケットボールへの取り組みが重要で、日々の努力、行動が重要です。特にメンタルは日常生活でも養われるため、日々の生活でいかにふるまうかが重要です。

NBA選手になるまでが知れる2Kシリーズ

NBA 2Kシリーズは、バスケットボール好きに人気のTVゲームです。そのクォリティは、もはやシミュレーターの域に達していて、選手ごとのシュートフォーム、ドリブル、技、癖などがリアルに再現されていて、汗すらも流します。グラフィックの美しさもさることながら、チーム戦略、高校、大学、NBAへと進む過程をクリアしていくモードなども用意されています。

NBA 2Kシリーズには「マイキャリア」というモードがあり、NBA選手になるにはどのような方法があるか、どのような事が想定されるかなどがストーリー仕立てで体験できます。

現在はプレイステーション、XBOX、任天堂スイッチなどでプレイできます。プレイステーション5とXBOX SERIES Xからは次世代ゲーム機バージョンがリリースされ、現行機バージョンより多くの楽しみが増えました。

グラフィクスの美しさが向上しただけでなく、選手が日常を過ごす「THE CITY」というオンラインで他の選手と出会える場所が従来の2Kシリーズより広いエリアになり、より多くのアトラクションが楽しめるようになっています。